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 昭和53年版 犯罪白書 第1編/第2章/第8節/3 

3 道路交通法違反事件

 道路交通法違反取締件数は,昭和44年以降増加傾向を続けており,52年では前年より63万3,850件(5.4%)増加して,1,247万100件に達している。これは,43年のそれの3.1倍に相当する。

I-64表 道路交通法違反事件取締状況(昭和52年)

 次に,昭和52年の道路交通法違反事件の取締状況を,違反態様別に見ると,I-64表のとおりである。最高速度違反が最も多く,総数の43.5%を占めており,駐停車違反が14.7%,通行禁止・制限違反が8.8%,一時停止違反が6.1%,通行区分違反が5.1%などとなっている。
 I-65表は,道路交通法違反のうち危険性の高い違反態様である無免許,酒酔い及び酒気帯び運転並びに速度違反について,昭和52年の取締件数を,前年と対比してみたものである。酒酔い運転がわずかに減少したほかはすべて増加しており,特に,酒気帯び運転と速度違反(毎時25キロメートル未満超過)の増加率が大きい。
 交通事犯の中で悪質とされている「ひき逃げ」事件は,昭和52年では,前年より1,260件増加して,3万1,713件となっている。ひき逃げによる死傷者数は,前年より1,249人増加して3万6,528人となっており,交通事故による死傷者総数に占める割合は,6.1%となっている。
 また,前掲のI-64表により,昭和52年における交通反則通告制度の運用状況を見ると,違反取締総数1,247万100件のうち,反則事件告知件数は1,035万8,825件で,交通反則通告制度の適用率は83.1%である。その適用率は,前年に比べて,成人で0.7%の低下,少年で0.5%の上昇となっている。
 警察庁の調査では,反則金の納付率(告知件数に対する納付件数の割合)は,各年共に95.0%以上で,52年では96.2%となっている。

I-65表 無免許・酒酔い・速度違反事件取締件数(昭和51年,52年)