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1 検察・裁判 昭和51年において全国の検察庁で処理された女性刑法犯の総人員は,4万5,883人である。
これを罪名別・処分別に示すと,III-99表のとおりである。処理人員総数の最も多いものは,窃盗(構成比77.8%)であるが,その処分内訳は,家庭裁判所送致53.9%,起訴猶予41.1%,起訴4.4%などとなっており,起訴率は9.6%にすぎない。起訴率の高いものは,公然わいせつ・わいせつ文書頒布等の94.8%をはじめとして,賭博・富くじの60.0%,失火の57.4%,嬰児殺の57.1%等となっている。起訴率の平均は,男性63.4%,女性21.0%であって,一般的には,男性の起訴率が女性のそれの3倍を超える高率であるが,公然わいせつ・わいせつ文書頒布等,嬰児殺,失火等では女性の起訴率が男性のそれを上回っている。 III-99表 女性刑法犯罪名別・処分別処理人員 (昭和51年) 昭和51年における女性特別法犯の罪名別・処分別の処理人員を示すと,III-100表のとおりである。処理人員総数は1万9,316人であり,その内訳は,起訴の1万260人(53.1%),起訴猶予の6,979人(36.1%),家庭裁判所送致の1,337人(6.9%)等となっている。次に,昭和46年以降5年間の刑法犯通常第一審懲役・禁錮の有罪人員を主要罪名別・男女別に示すと,III-101表のとおりである。この5年間を通じて見ると,49年に急増した強盗が50年に急減したこと及び傷害・同致死が50年に急増したことの二点を除き,女性の有罪人員総数,各罪名別人員共にそれほど目立った動きはない。なお,50年の女性有罪人員は,1,679人であり,女性比は3.1%にすぎない。主要罪名別に見ると,窃盗668人,詐欺239人,殺人151人等が多いが,女性比の高いものは,嬰児殺(100%)で,以下,殺人16.4%,放火13.9%等となっている。 III-100表 女性特別法犯罪名別・処分別処理人員(昭和51年) なお,昭和50年における特別法犯通常第一審懲役,禁錮及び罰金の男女別有罪人員を違反法令別に示したものが,III-102表である。女性特別法犯の有罪人員総数は1,148人であり,その内訳は懲役1,061人,禁錮10人及び罰金77人である。懲役有罪人員を違反法令別に見ると,覚せい剤取締法違反503人(47.4%),売春防止法違反329人(31.0%),公職選挙法違反79人(7.4%)などが多い。また,禁錮有罪人員の全員は,公職選挙法違反であり,罰金有罪人員については,公職選挙法及び売春防止法各違反で全体の57.1%を占めている。 III-101表 主要罪名別・男女別刑法犯通常第一審懲役・禁錮の有罪人員(昭和46年〜50年) III-102表 特別法犯通常第一審男女別有罪人員(昭和50年) |