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 昭和52年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/5 

5 累犯及び再入受刑者

 II-37表は,新受刑者のうちの有期懲役受刑者について,刑法上の累犯とそれ以外のものとに分けて,その比率を見たものである。昭和51年では,51.3%が累犯である。累犯の比率は,27年以降約56%ないし58%を占めてきたが,41年以降低下し,48年及び49年の両年には50%をほんの少し下回るに至ったが,50年に再び50%を超え,51年では前年を若干上回っている。

II-37表 新受刑者の累犯・非累犯別人員の比率(昭和40年,45年,49年〜51年)

 新受刑者を入所度数別に見ると,II-38表のとおりである。再入者(入所2度以上の者)の割合は,昭和46年(50.6%)までおおむね減少の傾向にあったが,47年から増加の傾向を見せ,51年では前年を0.8%上回っている。
 II-39表は,昭和51年における新受刑者を初人者と再入者とに分けて,罪名別の構成比を見たものである。刑法犯について見ると,初入者では,窃盗が20%強を占めて最も多く,業務上(重)過失致死傷がこれに次いでいる。再入者では,窃盗が40%強を占めて最も多く,以下,傷害・暴行,詐欺の順となっている。初人者に多い業務上(重)過失致死傷は,再入者では1.9%にすぎない。特別法犯については,初人者では,覚せい剤取締法違反及び道路交通法違反が,数年来引き続き1位又は2位を占めているが,同じ傾向は,再入者にも見られる。

II-38表 新受刑者の入所度数別人員の比率(昭和40年,45年,49年〜51年)

II-39表 新受刑者中初入者と再入者の罪名別比較(昭和51年)

 再入受刑者について,前刑出所後本犯までの「再犯期間」を見ると,II-40表のとおりである。昭和51年においては,再入受刑者の26.7%が前刑出所後6月未満で,44.3%が1年未満で,80.3%が4年未満で,それぞれ再犯を犯している。近年,再犯期間はわずかながら延伸する傾向にはあるものの,再入受刑者の大部分がこのように短期間で再犯に走っていることは,前述の累犯者・再入者の増加傾向と併せて警戒を要するところであろう。
 上記の再犯期間を昭和51年の再入受刑者について,前刑出所時の収容分類級(収容する施設又は施設内の区画を区別する基準となる分類級)別に見たのがII-41表である。
 B級(犯罪傾向の進んでいる者)系統の受刑者は,A級(犯罪傾向の進んでいない者)系統の受刑者に比べて,前刑出所後,比較的早期に再入する傾向にあること,すべての収容分類級別の受刑者を通じて,出所後3年ないし4年を経過するころから,再入する者の数が激減してくることなどがわかる。
 また,II-6図は,現行受刑者分類級が昭和47年7月1日から実施されたので翌48年中の出所者(2万8,196人)の51年末までの再入状況を,出所時の収容分類級別に,再入累積率で見たものである。出所後4年未満で,B級及びYB級では,約半数が再入しているが,IA級,A級,YA級の再入率は,これらに比べて低い。

II-40表 新受刑者中再入者の再犯期間累積率(昭和40年,45年,49年〜51年)

II-41表 新受刑者中再入者の前刑出所時収容分類級別・再犯期間別人員及び累積率(昭和51年)

II-6図 昭和48年出所受刑者の出所時収容分類級別再入累積率(昭和48年〜51年)