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 昭和52年版 犯罪白書 第2編/第1章/第1節/3 

3 被疑者の逮捕と勾留

 最近3年間における検察庁の既済人員のうち,業過を除く刑法犯と道交違反を除くその他の特別法犯について,逮捕された者,勾留請求された者,勾留された者の各人員とそれらが既済人員中に占める割合を見ると,II-4表のとおりである。昭和51年では,逮捕された者は既済総人員の23.5%であり,8割近い者が逮捕されることなく在宅事件として処理されている。警察で逮捕後検察官に送致する以前に釈放された者は1万854人で,警察における逮捕者総数の9.0%に当たり,残る91.0%の者が逮捕のまま検察官に送致されたものである。
 昭和51年中に,検察官が自ら逮捕し,又は逮捕された被疑者を受け取った後,勾留の請求をすることなく釈放した人員は1万697人で,検察官が身柄事件として受理した被疑者総数の9.7%に当たる。検察官が勾留請求した人員は8万6,158人で,その結果勾留された者は8万5,350人である。勾留請求が却下された者は808人で,却下率は請求総数の0.9%である。最近数年間では,勾留された者の既済総人員中に占める比率がわずかずつ上昇してきている。
 なお,自動車等による業過を除く刑法犯及び道交違反を除くその他の特別法犯について勾留された者の検察庁における処分状況は,昭和51年では,起訴が74.5%,不起訴が20.2%などとなっている。また,被疑者の勾留期間は,74.9%が10日以内で,残る25.1%が勾留期間を延長されたものである。

II-4表 検察庁既済事件の逮捕・勾留別人員(昭和49年〜51年)