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 昭和51年版 犯罪白書 第2編/第3章/第3節/2 

2 分類処遇

 受刑者は,分類調査の結果に基づいて,収容分類級(収容する施設又は施設内の区画を区別する基準となる分類級)及び処遇分類級(処遇の重点方針を区別する基準となる分類級)に判定される。
 収容分類級としては,次のようなものがある。
[1] 性,国籍,刑名,年齢及び刑期により,
W級 女子
F級 日本人と異なる処遇を必要とする外国人
I級 禁錮に処せられた者
J級 少年
L級 執行刑期8年以上の者
Y級 26歳未満の成人
[2] 犯罪傾向の進度により,
A級 犯罪傾向の進んでいない者
B級 犯罪傾向の進んでいる者
[3] 精神障害又は身体上の疾患若しくは障害により,
M級 精神障害者
P級 身体上の疾患者又は障害者
 次に,処遇分類級としては,次のようなものがある。
[1] 重点とする処遇内容により,
V級 職業訓練を必要とする者
E級 教科教育を必要とする者
G級 生活指導を必要とする者
T級 専門的治療処遇を必要とする者
S級 特別な養護的処遇を必要とする者
[2] その他により,
O級 開放的処遇が適当と認められる者
N級 経理作業に適格と認められる者
 これらの収容分類級及び処遇分類級に対しては,各分類級ごとに最もふさわしい処遇を行うため,それぞれ,処遇基準として,作業賦課,職業訓練,教科教育,生活指導,保護調整,医療養護等についての処遇重点事項が具体的に定められ,全国統一的な処遇が推進されている。
 このように受刑者の特性に応じた処遇を行うため,各施設別に,それぞれ,いかなる収容分類級の受刑者を収容すべきかを指定した施設の収容区分が定められている。昭和50年末現在の分類級別施設数は,II-46表に示すとおりである。

II-46表 分類級別施設数(昭和50年12月31日現在)

 なお,これら全国の収容施設に収容されている受刑者の収容分類級別人員の構成比を示すと,II-47表のとおりである。昭和50年では,総人員3万7,744人のうち,B級受刑者が49.7%と半数近くを占めており,その割合は,年々増加する傾向を示している。また,処遇分類級別人員は,総判定人員3万5,307人のうち,G級が2万2,928人(64.9%)と約三分の二を占めている。

II-47表 受刑者の収容分類級別人員の構成比(昭和48年〜50年の各12月31日現在)