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 昭和50年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/3 

3 国際ゲリラ活動関連事犯

 最近,国内において活動の場を失った一部過激派が,国外において国際連帯を標ぼうして,他国の活動家とともに,ハイジャック,大使館占拠等を敢行し,あるいは,資金獲得のため,身の代金目的の誘拐を企図するなど,テロ活動を強めてきている。すなわち,いわゆるアラブ赤軍に属する一派は,これまでにも,昭和47年5月にテルアビブ・ロッド空港襲撃事件,48年7月に日航ジャンボ機乗取り・爆破事件などを敢行してきたが,49年中には,独自で,あるいは他国の活動家と共同して,人質のら致,大使館の占拠等III-119表に掲げる犯罪を敢行した。

III-119表 国外における赤軍関連事件(昭和49年)

 これらの事件のうち,4の事件については,昭和50年4月及び5月に,犯人の日本人1名が逮捕・監禁,殺人未遂罪の国外犯により起訴されたほか,同人等2名が国外における日本国旅券の偽造及び行使事件で有印公文書偽造・同行使の国外犯により起訴されている(東京地検)。また,3の事件に関連して,49年9月及び10月に,国内において旅券の不正発給を受けた者4名が旅券法違反により起訴されている(東京地検及び京都地検)。
 この種事犯は,犯行自体が凶悪であるばかりでなく,我が国の対外的信用を損ない,その国際活動に悪影響を及ぼすものでもあり,海外におけるこの種事犯の根絶が期待される。