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 昭和49年版 犯罪白書 第2編/第3章/第2節/4 

4 補導の内容

 補導処分は,売春の習性を矯正して健全な社会復帰を図ることをめざしたものであり,また,収容者が前述のように資質・環境等の面で恵まれない者の多いことから,婦人補導院における処遇は,生活指導,職業補導及び更生の妨となる心身の障害に対する医療に重点がおかれる。これらの処遇は,単に婦人補導院の職員によるだけでなく,外部社会からの援助を受けて実施されている。
 生活指導は,クラブ活動,面接,教育行事などのほか,院内生活のあらゆる場面を通じて,女性らしい徳性と情操の向上を図って実施されている。
 職業補導は,家事サービス技能の訓練に重点がおかれているが,女性の教養として必要な和洋裁,手芸などの訓練,更にタイプライター,謄写印刷,園芸などの技能訓練も行われている。これらの訓練は,技能の習得だけでなく,勤労の習慣を身につけさせるという配慮のもとに行われている。
 医療は,更生の妨げとなる心身の障害に対して行われているが,収容者の40%が性病にかかっており,その他の疾患を有する者も多いので,それらの治療に重点がおかれている。もとより,一般健康状態の回復にも意が用いられ,規律正しい生活と給食管理によって,出院時には大部分が健康を向上して社会に復帰している。