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 昭和48年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節/3 

3 財政経済関係

 次に,最近5年間における財政経済関係の特別法違反の推移をみると,I-36表のとおりである。所得税法違反は,昭和45年に一時減少したのを除いて,逐年増加している。法人税法違反は,44年に減少したが,その後は毎年増加している。ちなみに,国税庁の資料によると,47年における所得税法関係の脱ろう所得金額は,前年より5億9,400万円増加して,80億4,900万円となり,その脱ろう税額は前年より3億4,200万円増加して,65億600万円となっている。

I-36表 財政経済関係特別法犯検察庁新規受理人員(昭和43年〜47年)

 一方,法人税関係の脱ろう所得金額は,前年より4億円減少して,90億100万円となり,脱ろう税額も1億5,700万円減少して,43億2,900万円となっている。これら直接国税関係2法の脱ろう税額合計は,108億3,500万円に達している。
 次に,関税法違反は,昭和44年以降減少しており,43年を100とする指数で示すと,47年には69となっている。出資の受入,預り金の金利等の取締等に関する法律違反は,45年に一時増加したのを除いて,最近5年間では横ばい状態にある。宅地建物取引業法違反は,逐年増加してきたが,47年には前年より減少している。それでも,43年を100とする指数で示すと,47年には185という高い数字を示している。
 なお,昭和47年におけるその他の財政経済関係特別法犯の受理人員については,外国為替及び外国貿易管理法違反が22人,たばこ専売法違反が305人で,いずれも前年より減少している。また,物価統制令違反は400人で,前年より若干減少しているが,食糧管理法違反は156人で,前年の2倍に増加している。