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 昭和47年版 犯罪白書 第一編/第二章/一/5 

5 過失犯罪

 過失犯罪のおもなものは,業務上(重)過失致死傷と過失致死傷および失火(業務上失火および重過失失火を含む。)である。I-27表は,昭和三六年および四二年以降の過失犯の検挙人員の推移を示している。過失致死傷と失火は,多少の起伏はあるものの,減少の傾向をみせており,とくに,四六年の過失致死傷は,一〇年前の三分の一以下に減少している。一方,業務上(重)過失致死傷は,四五年まで逐年激増し,同年には,七〇万人に迫ったが,四六年は,前年より減少して六六七,〇三二人となった。しかし,四二年を一〇〇とする指数では,四六年は,一六六と前年に次ぐ高い数値を示し,一〇年前の三六年に比べ五倍以上の増加となっている。この業務上(重)過失致死傷中,道路交通事故に起因するものの占める割合をみると,四六年の同罪の検挙人員のうち,九九・六%に当たる六六四,三二七人であるから,これらの数字によってみても,交通戦争の激しさが理解されよう。

I-27表 過失犯罪検挙人員(昭和36,42〜46年)