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 昭和45年版 犯罪白書 第二編/第一章/一/3 

3 被疑事件の処理

(一) 概況

 昭和四四年中に全国の検察庁で処理した被疑者の総数は三,八四一,六三三人である。このうち,検察庁間の移送を除いた二,八一三,四六三人について,処理区分別に百分率を算出して円グラフとしたのが,II-2図である。また,最近五年間の処理状況を,処理区分別に示すと,II-6表のとおりである。II-2図により,昭和四四年中に処理された者の処理区分をみると,起訴された者は,総数の五九・六%にあたるが,起訴のうちに占める公判請求の割合は六・一%,略式命令請求のそれは九二・五%,即決裁判請求が一・五%となっている。不起訴処分は,総数の一六・三%で,そのうちの八三・七%が起訴猶予である。また,家庭裁判所送致は二二・九%,中止処分は一・一%となっている。

II-2図 処理区分別被疑者数の百分比(昭和44年)

II-6表 処理区分別被疑者数(昭和40〜44年)

 昭和四四年の処理総数,起訴数,検察庁間の移送の数は,いずれも,前年に引き続いて減少しているが,これは,交通反則通告制度の施行によって,道交違反の受理人員数が大幅に減少したことによるものである。

(二) 検察庁における事件処理期間

 最近の三年間について,全国の検察庁で処理された道交違反を除く被疑事件の処理期間をみると,II-7表のとおりである。これによると,昭和四四年は,一五日以内に五九・六%,一月以内に七九・六%,三月以内に九三・九%の事件が処理されているが,この傾向は,各年を通じて変わらず,全体として事件の迅速処理の実をあげているといえよう。

II-7表 被疑事件処理期間別人員(昭和42〜44年)