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1 概説 特別法犯については,前述したように,発生件数,検挙件数および検挙人員数を示す警察統計がないので,ここでは,検察統計に示された検察庁の新規受理人員数によって,特別法犯の傾向をみることとする。
昭和四四年における特別法犯の検察庁新規受理人員数を,前年と対比ながら,その概要をみると,I-32表のとおりである。 I-32表 特別法犯の検察庁新規受理人員(昭和43,44年) これによると,昭和四四年の道交違反を除く特別法犯の受理人員は,一四一,五八二人で,前年より約三万人減少しており,道交違反は,一,四七〇,六二〇人で,これも前年より約一三九万人減少している。このように,道交違反の受理が大幅に減少したのは,前に述べたとおり,交通反則通告制度が,昭和四三年七月一日以降実施されていることによるものである。特別法犯では,外国人登録法違反が前年に比べて約二千人増加し,また,比率の上では,地方公共団体条例(公安条例)違反が八九・四%と,二倍に近い大幅な増加となっている。そのほか,前年より増加しているのは,道路運送法,外国為替及び外国貿易管理法,大麻取締法,たばこ専売法の各違反で,その他の法令違反はいずれも減少しており,ことに,自動車損害賠償保障法違反が約九千人,公職選挙法違反が約七千人減少しているのが目立っている。次に,昭和四四年を中心として最近における特別法犯の動きを,保安関係,財政経済関係,麻薬・覚せい剤関係,風俗関係および公害関係に分けて,詳しくみることとする。なお,交通犯罪,選挙犯罪,外国人犯罪については,節を改めて検討するので,ここでは省略する。 |