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 昭和35年版 犯罪白書 第四編/第二章/四/2 

2 分類処遇

 少年刑務所における処遇も,もちろん,分類制度にのっとって行なわれ,その者の個性,資質,能力などの分類調査の結果にもとづいて,グループを編成し,それぞれに適応する処遇がはかられている。
 この点で注目されるのは,受刑者の約半数が,かつて少年院に収容された経歴をもっている事実である。昭和三一年八月現在の少年受刑者一,五六八人について調査したところによると,少年院の収容経歴をもつ者は,一回のものが四〇九人(二六・一パーセント),二回のものが二八七人(一八・三パーセント),三回のものが六九人(四・四パーセント),四回以上のものが一一人(〇・七パーセント)で,全部では七七六人をかぞえ,総数の四九・五パーセントが少年院収容経歴をもつ者である。
 刑期の長さも,処遇のうえで重要である。IV-61表で,昭和三三年中の新入少年受刑者の刑期をみると,不定期刑の長期でも五年をこえるのは少なく,三年以下のものが半数以上をしめ,一年以下のものもある。なお,この表で新入少年受刑者の罪名別をみると,窃盗,強盗,恐喝などの財産犯が多いのはともかく,性犯罪の強姦や,殺人,傷害などもかなりみられるのである。

IV-61表 新入少年受刑者の罪名別・刑期別人員(昭和33年)