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 昭和43年版 犯罪白書 第一編/第一章/四/3 

3 アメリカ合衆国

 アメリカ合衆国における一九六〇年から一九六六年までの指標犯罪の発生件数の推移を示すと,I-33表のとおりである。アメリカ合衆国における犯罪の傾向と分布とを測るための指標として,この表に掲げた,七つの重大犯罪が使われており,これらを指標犯罪(index of crime offences)と呼んでいる。そして,この指標犯罪については,比較的精密な全国的集計が行なわれているので,ここでは,とりあえず,この指標犯罪のみを採り上げることとする。アメリカ合衆国における犯罪の増加は,顕著なものがあり,指標犯罪全部について,逐年増加の傾向が認められる。一九六六年においては,前年に比し,強盗が約二九%,五〇ドル以上の窃盗が約一七%,自動車盗約一五%,その他の犯罪も一〇%以上の増加を示しており,一九六〇年と比べると,五〇ドル以上の窃盗が約一・九倍,加重暴行傷害が約一・八倍,自動車盗と強盗が約一・七倍に,それぞれ増加している。

I-33表 指標犯罪の発生件数 アメリカ合衆国(1960〜1966年)