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令和5年版 犯罪白書 第7編/第5章/第2節/4

4 周囲との関わり、社会とのつながり
(1)他者との関わり方

7-5-2-9図は、他者との関わり方について見たもの(*1)である。少年院在院者では、「会話やメールなどをよくしている」、「何でも悩みを相談できる」、「楽しく話せるときがある」、「他の人には言えない本音を話せることがある」及び「強いつながりを感じている」は「学校で出会った友人」(それぞれ84.4%、72.5%、90.7%、71.8%、71.6%)の該当率が最も高く、「困ったときは助けてくれる」は「母親」(80.3%)の該当率が最も高かった。保護観察処分少年では、「会話やメールなどをよくしている」、「何でも悩みを相談できる」、「楽しく話せるときがある」、「困ったときは助けてくれる」及び「他の人には言えない本音を話せることがある」は「学校で出会った友人」(それぞれ86.5%、83.8%、92.3%、88.0%、80.3%)の該当率が最も高く、「強いつながりを感じている」は「母親」(82.8%)の該当率が最も高かった。少年院在院者と保護観察処分少年を比較すると、「インターネット上における人やコミュニティ」を除き、全ての項目において保護観察処分少年は少年院在院者よりも該当率が高く、保護観察処分少年の方が少年院在院者よりも、他者との関わり方について全般的に肯定的に捉えていることがうかがえた。一方、「インターネット上における人やコミュニティ」に対しては、「何でも悩みを相談できる」及び「困ったときは助けてくれる」を除き、少年院在院者が保護観察処分少年よりも該当率が高く、少年院在院者の方が保護観察処分少年よりも、インターネット上の交流を肯定的に捉えている傾向がうかがえた。

7-5-2-9図 少年に対する調査 他者との関わり方
7-5-2-9図 少年に対する調査 他者との関わり方
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*1 「母親」、「父親」、「兄弟など親以外の親族」、「学校で出会った友人」、「職場・アルバイト関係の人」、「地域の人」及び「インターネット上における人やコミュニティ」との各関係において、以下の6項目について、「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」、「どちらかといえばそう思わない」及び「そう思わない」の4件法で回答した結果につき、それぞれ「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した者の該当率を見たものである。

<1>「会話やメールなどをよくしている」、<2>「何でも悩みを相談できる」、<3>「楽しく話せるときがある」、<4>「困ったときは助けてくれる」、<5>「他の人には言えない本音を話せることがある」及び<6>「強いつながりを感じている」


内閣府が実施した調査によれば、他者との関わり方について尋ねた項目の15~19歳の結果では、「家族・親族」に対する各項目の該当率(「そう思う」及び「どちらかといえばそう思う」の合計)が、「会話やメール等をよくしている」(72.2%)、「何でも悩みを相談できる人がいる」(58.9%)、「楽しく話せる時がある」(80.8%)、「困ったときは助けてくれる」(78.9%)、「他の人には言えない本音を話せることがある」(56.7%)及び「強いつながりを感じている」(70.9%)であった(内閣府政策統括官「子供・若者の意識に関する調査」(令和元年度)による。)。特別調査では、「母親」、「父親」及び「兄弟など親以外の親族」についてそれぞれ尋ねており、厳密な比較はできない点には留意を要するが、一般の少年の「家族・親族」に対する該当率と比較して、「母親」に対し、保護観察処分少年の各項目の該当率が高い傾向、「父親」に対し、少年院在院者、保護観察処分少年共に該当率が低い傾向、「兄弟など親以外の親族」に対し、少年院在院者は該当率が低く、保護観察処分少年は該当率が高い傾向が見られた。また、「学校で出会った友人」及び「職場・アルバイト関係の人」に対しては、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも各項目の該当率が高い傾向が見られ、「地域の人」に対しては、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも各項目の該当率が低かった。「インターネット上における人やコミュニティ」に対しては、「会話やメールなどをよくしている」及び「楽しく話せるときがある」について、少年院在院者で一般の少年よりも該当率が高かったが、その他の項目は、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも該当率が低い傾向にあった。一般の少年と比較すると、少年院在院者及び保護観察処分少年において、学校、職場における他者との関わり方を肯定的に捉えている傾向や、特に保護観察処分少年において、母親との関わり方を肯定的に捉えている傾向がうかがえた。

(2)これから先の自分や家族にとって必要な人や仕組み

7-5-2-10図は、これから先の自分や家族にとって必要な人や仕組みについて見たもの(*2)である。少年院在院者、保護観察処分少年共に、「自分が気軽に相談したり、ぐちをこぼしたりできる相手」の該当率が最も高く(それぞれ93.7%、82.6%)、次いで、「親とケンカをするなどして家に居づらい時に、安心してのんびり過ごせる場所」(同79.4%、75.2%)、「家庭の事情を分かった上で、保護者や自分以外の家族の相談にも乗ってくれる人」(同73.5%、68.6%)の順に高かった。

7-5-2-10図 少年に対する調査 これから先の自分や家族にとって必要な人や仕組み
7-5-2-10図 少年に対する調査 これから先の自分や家族にとって必要な人や仕組み
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*2 「自分が気軽に相談したり、ぐちをこぼしたりできる相手」、「親とケンカをするなどして家に居づらい時に、安心してのんびり過ごせる場所」、「借金や薬物依存などの問題に、弁護士や医者などの専門家が対応してくれること」、「家庭の事情を分かった上で、保護者や自分以外の家族の相談にも乗ってくれる人」、「保護観察終了後も継続的に支援をしてくれる仕組」及び「どんな内容の相談ごとでも受け付けて、相談に乗ってくれる窓口」の6項目について、「とても必要」、「やや必要」、「あまり必要ない」及び「全く必要ない」の4件法で回答した結果につき、それぞれ「とても必要」又は「やや必要」と回答した者の該当率を見たものである。