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令和2年版 犯罪白書 第7編/第5章/第4節/3

3 医療機関

都道府県及び指定都市は,アルコール,薬物,ギャンブル等の各種依存症患者が地域で適切な医療を受けられるようにするため,依存症専門医療機関及び依存症治療拠点機関の選定を進めている。依存症専門医療機関は,依存症の専門性を有した医師が担当する入院治療や,依存症に特化した専門プログラムを有する外来医療を行うほか,相談機関や医療機関,民間団体(自助グループ等を含む。),依存症回復支援機関等と連携して依存症関連問題に取り組んでいる。また,依存症治療拠点機関は,依存症専門医療機関の中から選定され,各都道府県及び指定都市内の依存症専門医療機関の連携拠点となって,依存症に関する取組の情報発信や,医療機関を対象とした依存症に関する研修を実施するなどしている。令和2年3月末日現在,薬物依存症の専門医療機関がある地方公共団体(都道府県及び指定都市)は39,うち治療拠点機関がある地方公共団体(都道府県及び指定都市)は30であった(厚生労働省社会・援護局の資料による。)。

その他の専門病院等においても,薬物使用による身体的な障害や精神的な障害の治療が行われる。専門病院では,通常,第一段階として,薬物によってもたらされる中毒性精神病の症状(幻覚や妄想等)を改善するための投薬を中心とした治療が行われ,その後,第二段階として,薬物依存症そのものを治療の対象とする認知行動療法プログラム等が行われる。