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令和元年版 犯罪白書 第1編/第1章/第2節/9

9 風紀・環境関係法令
(1)風紀関係

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。いわゆる風営適正化法)は,風俗営業等について,営業時間等を制限し,年少者を営業所に立ち入らせることなどを規制するとともに,風俗営業の業務の適正化を促進するなどの措置を講ずることを目的とする法律であり,昭和23年に制定された。

平成10年法律第55号による改正では,インターネット等を利用して,性的な行為を表す場面等の映像を見せる営業を規制するため,映像送信型性風俗特殊営業の規制及びその違反行為の処罰に関する規定の新設等が行われた(平成11年4月施行)。

平成13年法律第52号による改正では,いわゆるテレホンクラブ営業の規制に関する規定の整備,映像送信型性風俗特殊営業を営む者が児童ポルノ映像を送信することを防止するための規定の整備,特定性風俗物品販売等営業を営む者に対する規制の新設及びその違反行為の処罰に関する規定の新設等が行われた(平成14年4月全面施行)。

平成17年法律第119号による改正では,風俗営業等に係る集客行為の規制が強化され,風俗営業等を営む者等が当該営業に関し客引きをするため,道路その他公共の場所で,人の身辺に立ちふさがるなどの行為について処罰規定が設けられるとともに,性風俗関連特殊営業の禁止区域等営業や無届営業を始めとした違法営業等に対する罰則の法定刑が大幅に引き上げられた(平成18年5月施行)。

(2)環境関係
ア 環境基本法

平成5年11月,環境の保全に関する施策を総合的・計画的に推進し,国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することなどを目的として,環境基本法(平成5年法律第91号)が成立した(一部を除き同月施行)。同法により,公害の防止に関する施策の基本となる事項が定められていた公害対策基本法(昭和42年法律第132号)は廃止されたが,公害の定義を始め,公害対策の基本的事項の多くは環境基本法に継承された。

イ 廃棄物処理法

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下この節において「廃棄物処理法」という。)は,産業廃棄物を含む廃棄物の適正な処理を目的とし,廃棄物処理の無許可営業,廃棄物の投棄禁止規定違反等に対する罰則が定められている。

平成3年法律第95号による改正では,廃棄物の排出の抑制が初めてその目的に示され,廃棄物の適正な処理として分別,再生等が盛り込まれるとともに,廃棄物の投棄禁止規定違反等についての法定刑が引き上げられた(平成4年7月施行)。

平成9年法律第85号による改正では,産業廃棄物の投棄禁止規定違反等についての法定刑が引き上げられたほか,法人に対する罰金刑の上限の額を,行為者に対する罰金刑の上限の額より高額とする規定が設けられた(平成9年12月施行)。

平成12年法律第105号による改正では,廃棄物の焼却についての規制が強化され,同規制違反行為に対する処罰規定が設けられるとともに,産業廃棄物管理票の不交付や廃棄物の投棄禁止規定違反等に対する法定刑が引き上げられた(平成13年4月全面施行)。

平成15年法律第93号による改正では,不法投棄等の未遂罪の処罰規定が設けられるとともに,一般廃棄物の不法投棄に対する罰則が強化された(平成15年12月全面施行)。

平成16年法律第40号による改正では,不法投棄・不法焼却の目的で廃棄物の収集・運搬についての処罰規定や硫酸ピッチ等の指定有害廃棄物の不適正処理についての処罰規定が設けられるとともに,不法焼却罪の法定刑の引上げ,産業廃棄物の処理の受託禁止違反の罪についての法定刑の引上げが行われた(平成17年4月全面施行)。

平成17年法律第42号による改正では,廃棄物の無確認輸出未遂罪及び同予備罪が設けられるとともに,産業廃棄物管理票の虚偽記載等に関する罪の法定刑が引き上げられるなどした(平成18年4月全面施行)。

平成29年法律第61号による改正では,産業廃棄物管理票の交付・写し送付・回付義務違反,虚偽交付,虚偽記載,写し保存義務違反等産業廃棄物管理票に関する罪の法定刑の引上げ等がなされた(平成30年4月施行)。