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3 検察庁における起訴等

7-2-2-5図及び7-2-2-6図は,一般刑法犯について,起訴人員の人口比の推移及び起訴猶予率の推移(平成元年以降)をそれぞれ年齢層別に見たものである(いずれも犯行時の年齢による。)。


7-2-2-5図 一般刑法犯 起訴人員の人口比の推移(年齢層別)
7-2-2-5図 一般刑法犯 起訴人員の人口比の推移(年齢層別)

7-2-2-6図 一般刑法犯 起訴猶予率の推移(年齢層別)
7-2-2-6図 一般刑法犯 起訴猶予率の推移(年齢層別)

起訴人員の人口比は,平成元年以降,一貫して,20〜24歳,25〜29歳,30〜49歳の順に多く,かつ,これらの年齢層では全年齢層の起訴人員の人口比を上回って推移している。他方,起訴猶予率は,平成元年以降,25〜29歳では全年齢層の起訴猶予率より低い水準であり(30〜49歳も同様),20〜24歳は全年齢層とほぼ同程度である。なお,少年の起訴人員の人口比及び起訴猶予率については,少年法の規定による影響があり,成人と単純比較できない。

7-2-2-7図は,主な罪名の若年者の起訴人員に占める前科を有する者の割合(以下この項で「有前科者率」という。)を25歳未満・以上の別に見たものである。


7-2-2-7図 若年者の起訴人員に占める有前科者率(罪名別・年齢層別)
7-2-2-7図 若年者の起訴人員に占める有前科者率(罪名別・年齢層別)

25歳未満の若年者では,全罪名(一般刑法犯及び道交違反を除く特別法犯)に対し,窃盗,恐喝及び覚せい剤取締法違反で有前科者率が高い。25歳以上の若年者では,この傾向が更に強く,全罪名と比べ,窃盗,恐喝,覚せい剤取締法違反のいずれにおいても有前科者率は明らかに高く,ほぼ半数又はそれ以上が有前科者である。

また,一般に,加齢に伴い,有前科者数が累積するため,25歳以上の若年者の有前科者率は25歳未満と比べて当然に高くなるが,平成17年から22年の累計で見ると,恐喝及び覚せい剤取締法違反における両年齢層の有前科者率の差は,それぞれ29.2pt,22.7ptであり,全罪名(16.2pt)と比べて顕著に大きく,窃盗(20.4pt)についても,同様に大きい。若年者は,これらの罪名において,再犯に陥りやすい傾向にあるといえる。