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平成22年版 犯罪白書 第7編/第1章/第3節/3

3 出所受刑者の再入所状況

平成12年の重大事犯での出所受刑者について,出所年を含む10年の間,各年の年末までに再入所した者の累積人員の比率(以下この項において「累積再入率」という。)を出所事由別(満期釈放又は仮釈放の別)に見ると,7‐1‐3‐3図のとおりである。重大事犯では,10年内の累積再入率は,殺人が15.6%,傷害致死が24.7%,強盗,強姦及び放火が30%台と,出所受刑者全体(53.6%)と比べて低い。出所事由別に見ると,満期釈放者は,殺人(35.6%)を除き,傷害致死(55.6%),強盗(58.8%),強姦(58.5%)及び放火(49.5%)では,約50〜60%と高い(出所受刑者全体では65.6%)が,仮釈放者は,殺人(6.4%),傷害致死(13.2%),強盗(24.2%),強姦(26.3%),放火(19.9%)のいずれでも,出所受刑者全体(44.1%)と比べ,かなり低い。満期釈放者と仮釈放者の10年内の累積再入率の差を見ると,重大事犯では,各罪名ともにおおむね30pt以上と,出所受刑者全体(21.5pt)と比べ,顕著にかい離が大きい。

7‐1‐3‐3図  出所受刑者の出所事由別10年内累積再入率(罪名別)

再入所者について,10年内の累積人員に占める6年以降の年に初めて再入所した者の人員の比率を見ると,放火(16.7%)を除き,殺人(23.0%),傷害致死(26.8%),強盗(21.1%)及び強姦(26.1%)では,その比率が出所受刑者全体(14.3%)と比べて相当高く,これらの罪名では,長期間にわたって,再犯のリスクが継続する傾向がうかがわれる。