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 平成21年版 犯罪白書 第7編/第2章/第3節/2 

2 出所受刑者の再入所状況

 平成16年の出所受刑者について,同年から20年までの間,各年の年末までに再入所した者の累積人員の比率(以下,この節において「累積再入率」という。)を出所事由(満期釈放又は仮釈放)・罪名別に見ると,7-2-3-6図のとおりである。
 出所事由別に比較すると,いずれの罪名でも,満期釈放者の方が仮釈放者よりも累積再入率は高い。
 罪名別に見ると,満期釈放者では,5年内の累積再入率が,窃盗で65.5%,覚せい剤取締法違反で62.7%と相対的に高く,窃盗では,出所年を含む2年間で半数近い者が再入所に至っている。一方,仮釈放者では,5年内の累積再入率は,覚せい剤取締法違反で43.0%,窃盗で40.3%であった。

7-2-3-6図 出所受刑者の5年内累積再入率(出所事由別・罪名別)

 次に,平成16年の出所受刑者について,罪名・入所度数別に,5年内に同一罪名又は異なる罪名により刑事施設に再入所(前刑出所前の犯罪による再入所を除く。)した人員の比率を見ると,7-2-3-7図のとおりである。
 入所度数を重ねるに従って,再入所する比率が上昇する傾向があり,改善更生の困難さが増していくことがうかがわれる。特に入所度数が1度の者と2度の者の差は顕著である。罪名別に見ると,窃盗及び覚せい剤取締法違反において,その傾向が顕著である。

7-2-3-7図 出所受刑者の5年内再入所状況別構成比(罪名別・入所度数別)