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 平成21年版 犯罪白書 第2編/第5章/第2節/1 

1 保護観察対象者

(1)保護観察開始人員の推移

 2-5-2-1図は,仮釈放者及び保護観察付執行猶予者について保護観察開始人員の推移(昭和24年以降)を見るとともに,保護観察率(執行猶予言渡人員に占める保護観察付執行猶予言渡人員の比率をいう。)の推移(昭和32年以降)を見たものである。
 仮釈放者の保護観察開始人員は,平成8年から増加傾向にあったが,17年からはやや減少傾向にある。保護観察付執行猶予者については,平成13年から減少傾向にある。
 保護観察率は,昭和38年の20.6%を最高に,以後,上昇と低下を繰り返しながらも,ほぼ同水準で推移していたが,50年代後半から低下傾向に入り,徐々に下降し続け,平成20年は,8.3%まで低下した。

2-5-2-1図 保護観察開始人員・保護観察率の推移

 なお,平成20年12月31日現在,保護観察係属人員は,仮釈放者が6,489人(前年比212人(3.2%)減),保護観察付執行猶予者が1万3,105人(同1,002人(7.1%)減)であった(保護統計年報による。)。

(2)保護観察対象者の特徴

 ア 年齢
 2-5-2-2図は,仮釈放者及び保護観察付執行猶予者について,平成20年における保護観察開始人員の年齢層別構成比を見たものである。

2-5-2-2図 保護観察開始人員の年齢層別構成比

 イ 罪名
 平成20年における保護観察開始人員の罪名別構成比を見ると,仮釈放者及び女子の保護観察付執行猶予者においては,窃盗,覚せい剤取締法違反,詐欺の順に高く,男子の保護観察付執行猶予者においては,窃盗,傷害,覚せい剤取締法違反の順に高かった(CD-ROM資料2-13参照)。

 ウ 保護観察期間
 2-5-2-3図は,仮釈放者及び保護観察付執行猶予者について,平成20年における保護観察開始人員の保護観察期間別構成比を見たものである。
 保護観察期間は,保護観察付執行猶予者では,2年を超えている者がほとんどであるのに対し,仮釈放者では,2年以内である者がほとんどであり,6月以内である者で7割以上を占めている。

2-5-2-3図 保護観察開始人員の保護観察期間別構成比

 エ 居住状況
 2-5-2-4図は,仮釈放者及び保護観察付執行猶予者について,平成20年における保護観察開始人員の居住状況別構成比を見たものである。
 仮釈放者では,更生保護施設に居住する者の構成比が最も高く,保護観察付執行猶予者では,単身の者の構成比が高いのが目立つ。

2-5-2-4図 保護観察開始人員の居住状況別構成比