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 平成20年版 犯罪白書 第6編/第2節/2 

2 裁判員裁判対象事件の動向

 裁判員裁判対象事件の罪名別通常第一審終局総人員(最近5年間)は,6-2-2表のとおりである。

6-2-2表 裁判員裁判対象事件の罪名別通常第一審終局総人員

 平成19年においては,裁判員裁判対象事件の終局総人員は,2,436人(前年比15.4%減)であり,地方裁判所の通常第一審終局処理人員の3.4%に当たる。19年の裁判員裁判対象事件の終局総人員を罪名別に見ると,強盗致傷が611人(25.1%)と最も多く,次いで,殺人が590人(24.2%),現住建造物等放火が265人(10.9%)の順であった。
 平成19年の裁判員裁判対象事件第一審終局総人員の開廷回数別構成比は,6-2-3図[1]のとおりである。

6-2-3図 裁判員裁判対象事件の第一審終局総人員における開廷回数別構成比

 開廷回数が3回以下であったものが全事件の47.9%,5回以下であったものが同73.2%を占め,平均開廷回数は5.2回,平均審理期間は7.8月であった。なお,裁判員法は,裁判員裁判対象事件については,これを公判前整理手続に付さなければならないとしているところ,平成19年の裁判員裁判対象事件第一審終局総人員のうち,公判前整理手続に付されたものの開廷回数別構成比は,6-2-3図[2]のとおりであり,開廷回数が3回以下であったものが全事件の64.2%,5回以下であったものが同86.2%を占め,平均開廷回数は3.6回,平均審理期間は6.1月であり,公判前整理手続において争点整理がなされることで,開廷回数や審理期間が短縮される傾向がうかがえる(最高裁判所事務総局の資料による。)。
 平成19年の通常第一審における裁判員裁判対象事件の有罪人員の罪名別科刑状況は,6-2-4表のとおりである。

6-2-4表 通常第一審裁判員裁判対象事件の罪名別科刑状況

 刑の執行が猶予された344件のうち,107件(31.1%)で保護観察に付されている(最高裁判所事務総局の資料による。)。