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 平成20年版 犯罪白書 第2編/第4章/第2節/6 

6 不服申立制度

 被収容者が施設の処置に対して不服のあるときは,一般的な制度として,民事・行政訴訟,告訴・告発,人権侵犯申告等がある。また,旧監獄法等による制度として,情願及び所長面接があったが,受刑者処遇法施行後は,受刑者等については新たな不服申立制度が適用されることとなり,さらに,刑事収容施設法施行後は,未決拘禁者等を含む全被収容者に新たな不服申立制度が適用されている。
 新たな不服申立制度は,審査の申請再審査の申請及び事実の申告並びに苦情の申出から成っている。
 審査の申請とは,刑事施設の長の一定の措置に対し不服がある場合,矯正管区の長に対し書面で行うものをいう。再審査の申請とは,審査の申請の裁決に不服がある場合,法務大臣に対し書面で行うものをいう。事実の申告とは,被収容者が,刑事施設の職員による自己の身体に対する違法な有形力の行使等について,書面で矯正管区の長又は法務大臣に対し申告するものをいう。ただし,被収容者は,まず,矯正管区の長に対して申告を行い,矯正管区の長の事実確認等の通知を受け,この通知に不服があるときに,改めて,法務大臣に対し,書面で事実の申告を行うことができる。苦情の申出とは,被収容者が,自己に対する刑事施設の長の措置その他の処遇について,法務大臣,刑事施設の長等に対し書面等で苦情を申し出るものをいう。
 全被収容者の不服申立件数の推移(最近5年間)は,2-4-2-4表のとおりである。

2-4-2-4表 被収容者の不服申立件数