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 平成17年版 犯罪白書 第2編/第6章/第3節/2 

2 矯正

(1) 暴力団関係受刑者の収容状況

 全受刑者に占める暴力団関係受刑者の人員及び比率(最近5年間)は,2-6-3-3表のとおりである。

2-6-3-3表 受刑者に占める暴力団関係受刑者の人員

 全受刑者に占める暴力団関係受刑者の比率は,平成16年12月31日現在において18.8%であるが,犯罪傾向の進んでいる者を収容するB級施設の受刑者の中では,31.2%を占めている。

(2) 新受刑者中の暴力団加入者の特徴

ア 地位

 平成16年における新受刑者中の暴力団加入者(暴力団対策法に定める指定暴力団等に加入している者をいう。以下,本項において同じ。)の数は,4,244人(新受刑者総数の13.2%)であり,その地位別内訳は,幹部1,296人,組員2,580人,地位不明の者368人であった(矯正統計年報による。)。

イ 罪名

 平成16年における新受刑者中の暴力団加入者及び非加入者の受刑罪名を,構成比の高い順にそれぞれ上位10位まで見ると,2-6-3-4表のとおりである。

2-6-3-4表 新受刑者中の暴力団加入者等の罪名別構成比

ウ 刑期

 平成16年における新受刑者(懲役・禁錮)中の暴力団加入者の刑期別構成比を見ると,「1年を超え2年以下」の者が36.4%と最も高く,次いで,「2年を超え3年以下」(24.5%),「3年を超え5年以下」(14.6%),「6月を超え1年以下」(13.3%),「5年を超える(無期刑を含む。)」(9.0%),「6月以下」(2.3%)の順であった(矯正統計年報による。)。

エ 年齢

 平成16年における新受刑者中の暴力団加入者の年齢層別構成比を見ると,「30歳以上40歳未満」の者が39.2%と最も高く,次いで,「40歳以上50歳未満」(21.6%),「20歳以上30歳未満」(20.8%),「50歳以上60歳未満」(14.4%),「60歳以上」(4.0%)の順であった(矯正統計年報による。)。

オ 入所度数

 平成16年における新受刑者中の暴力団加入者の入所度数別構成比を見ると,「1度」32.2%,「2度」19.6%,「3度」13.7%,「4度」9.8%,「5度」7.2%,「6〜9度」14.1%,「10度以上」3.5%であった(矯正統計年報による。)。

(3) 処遇

 暴力団加入者の処遇に当たっては,規則正しい生活及び勤労の習慣を身に付けるよう指導するとともに,警察機関等の協力も得ながら,暴力団からの離脱を積極的に指導している。また,暴力団加入者は,徒党を組んだり,対立抗争関係を施設にまで持ち込むなど,保安上の事故を引き起こす危険性が高い。そのため,作業や居房の指定には細心の注意を払い,必要に応じて,分散して収容したり,他施設に移送するなど,厳正な規律と秩序の維持に努めている。