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 平成16年版 犯罪白書 第2編/第5章/第3節/4 

4 保護観察処遇の状況

(1) 成績良好者に対する措置

 保護観察中に,行状が安定し,再犯のおそれがなくなったと認められる者に対して執られる措置を良好措置という。良好措置には,刑の短期を経過した不定期刑仮出獄者について刑の執行を受け終わったものとする不定期刑終了の措置及び保護観察付き執行猶予者について保護観察を仮に解除する仮解除の措置がある。平成15年に執られた良好措置は,不定期刑終了はなく(前年もなし),仮解除484人(同602人)であった(保護統計年報による。)。

(2) 成績不良者に対する措置

 保護観察中に,遵守事項違反,再犯等があった者に対して執られる措置を不良措置という。仮出獄者に対する不良措置には,矯正施設に再収容する仮出獄の取消し及び所在不明になった者の刑期の進行を止める保護観察の停止があり,保護観察付き執行猶予者に対する不良措置には,矯正施設に収容する刑の執行猶予の取消しがある。平成15年中に執られた不良措置は,仮出獄の取消しが1,035人(前年1,047人),保護観察の停止が531人(同592人),刑の執行猶予の取消しが1,779人(同1,851人)であった(保護統計年報による。)。
 なお,保護観察対象者が,一定の住居に居住しない場合や,遵守事項を遵守しなかったことを疑うに足る十分な理由があり,かつ,保護観察所の長の呼出しに応じないか又は応じないおそれがある場合には,裁判官の発する引致状により引致を行い,さらに,不良措置の審理を開始する旨の決定により,一定の期間,所定の施設に留置する措置が執られる。保護観察処分少年及び少年院仮退院者を含めて,平成15年において引致された者は192人(前年192人)であり,留置された者は165人(同161人)であった(保護統計年報による。)。