最近5年間における銃器（けん銃，小銃，機関銃，砲，猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃をいう。以下同じ。）発砲事件の件数及びこれによる死亡者数は，1-1-8-1図のとおりである。平成15年の発砲事件数は前年の158件から139件に減少したが，多数の死亡者が出る発砲事件が発生したことなどから，死亡者数は前年の24人から35人に増加している。死亡者35人のうち，暴力団構成員等（暴力団構成員及び準構成員をいう。以下，本節において同じ。）が24人，それ以外の死亡者が11人であり，いずれも前年と比べて増加している。

1-1-8-1図　銃器発砲事件数及びこれによる死亡者数の推移

　1-1-8-2図は，最近5年間における銃器使用犯罪の検挙件数及びそのうちけん銃が使用されたものの件数を，暴力団構成員等によるものとそれ以外の者によるものとに区別して示したものである。
　平成15年における銃器使用犯罪の検挙件数は，前年（123件）より減少して113件となっており，そのうち69件（61.1％）が暴力団構成員等によるものである。また，使用された銃器の種類を見ると，けん銃を使用したものが71件で最も多く，全体の62.8％を占めている。

1-1-8-2図　銃器使用犯罪検挙件数の推移

　1-1-8-3図は，最近5年間におけるけん銃押収丁数を，暴力団構成員等から押収したものとそれ以外の者から押収したものとに分けて示したものである。平成15年の押収丁数は，全部で785丁と前年（747丁）を上回り，うち644丁（82.0％）が真正けん銃であった。また，15年は，前年に引き続き，暴力団構成員等以外の者からの押収丁数（451丁）が暴力団構成員等からの押収丁数（334丁）を上回った。
　平成15年に押収された真正けん銃644丁について，これを海外の製造国別に見ると，米国（189丁），フィリピン（56丁），中国（50丁），イタリア（40丁），ロシア（39丁），ドイツ（32丁）の順となっている（警察庁刑事局の資料による。）。

1-1-8-3図　けん銃押収丁数の推移