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 平成15年版 犯罪白書 第5編/第7章/第1節/2 

2 成人を中心とした屋内強盗の増加

 成人の最近の動向で目立つのは,路上強盗と並んで屋内強盗,特に「上がり込み」と呼ばれる被害者就寝前の住宅・店舗等への侵入強盗の増加である。成人の強盗の動機を見ると遊興費充当等とともに,生活困窮,債務返済を動機とするものが急増し,その背景事情として,不況による無職者の増大と消費者金融等からの無計画な借入れによる経済的破綻者の増加がうかがわれる。路上強盗と異なり,屋内への侵入を伴う強盗は,被害者の平穏な生活を侵害し,著しい恐怖感を与え,生命・身体・貞操等を害する例も多い。しかも,就寝前の被害者と相対することを前提とした屋内の「上がり込み強盗」は,被害者による目撃と相当な抵抗が予想されるものだけに被害者に対する攻撃がより過酷なものとなりかねない(生命侵害を伴う重大事犯の大半は就寝前の屋内強盗である。)面があり,この種の強盗の増加は,路上強盗の増加にも増して危険な要素があって警戒を要するものである。