仮出獄者及び保護観察付き執行猶予者を中心に保護観察事件の動向について概観する（保護観察処分少年及び少年院仮退院者については，第4編第2章第6節2参照）。
　2―5―3―1図は，保護観察所が新規に受理した保護観察対象者の人員の総数と，仮出獄者及び保護観察付き執行猶予者の人員の推移を見たものである（巻末資料2―13参照）。

2―5―3―1図　保護観察新規受理人員の推移

　仮出獄者に関しては，平成11年，12年には1万3,000人台であったが，13年は1万4,423人，14年は1万5,318人と，次第に増加している。
　保護観察付き執行猶予者については，昭和50年代には7,000人台から8,000人台で推移していたが，平成になって以降6,000人を超えることはなく，4,000人台から5,000人台で推移しており，14年は5,388人となっている。
　なお，近年，婦人補導院仮退院者については，受理人員がない。
　2―5―3―2図は，平成14年における新規受理人員の罪名別構成比を男女別に見たものである。仮出獄者，保護観察付き執行猶予者のいずれも，窃盗及び覚せい剤取締法違反の比率が高いが，女子においては覚せい剤取締法違反が窃盗を上回っている。

2―5―3―2図　保護観察新規受理人員の罪名・男女別構成比

　2―5―3―3図は，平成14年の新規受理人員を年齢層別に見たものである。仮出獄者に比べ保護観察付き執行猶予者の方が，20歳から29歳までの若い年齢層の占める比率が高い。
　また，2―5―3―4図は，仮出獄者に関する保護観察新規受理人員について，保護観察期間別構成比に関し，最近の5年間の推移を見たものである。「3月以内」の者の比率が低下傾向を示す一方で，「1年以内」の者の比率が上昇傾向にある。

2―5―3―3図　保護観察新規受理人員の年齢層別構成比

2―5―3―4図　仮出獄者の保護観察期間別構成比の推移