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 平成15年版 犯罪白書 第1編/第1章/第8節/2 

2 検察庁及び裁判所における銃刀法違反の処理状況

 1―1―8―4図は,最近10年間における銃刀法違反の検察庁終局処理人員の処理区分別構成比の推移を見たものである。
 1―1―8―5図は,最近10年間の通常第一審において,銃刀法違反により懲役の言渡しを受けた者の科刑分布状況の推移を見たものである。平成5年及び7年の銃刀法改正によってけん銃等に係る規制が強化され,罰則の法定刑が大幅に引き上げられたことなどに伴い,6年以降は約半数の者が3年以上の刑期を宣告されており,また,5年を超える刑期を言い渡される者も増えている。
 けん銃等に係る銃刀法違反等事件(けん銃等,けん銃実包又はけん銃部品に係る銃刀法違反及び武器等製造法違反をいう。)について,法務省刑事局の資料によって,平成14年の通常第一審における科刑状況を見ると,懲役の言渡しを受けた者の総数は116人(うち執行猶予23人)であり,刑期別では,7年以上10年未満が11人,5年以上7年未満が12人,3年以上5年未満が60人,1年以上3年未満が32人,1年未満が1人となっている。事件の種類別では,「けん銃及び実包所持」が83人(うち加重所持が79人)で最も多く,次いで,「けん銃の単純所持」が14人となっている。
 なお,平成14年に,けん銃等を提出して自首したことにより刑が減軽された人員は11人であり,そのうち10人が暴力団関係者(集団的に,又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織の構成員及びこれに準ずる者をいう。)であった。また,14年にけん銃等を提出して自首し,起訴猶予になった者は53人で,そのうち22人が暴力団関係者,31人がそれ以外の者であった(法務省刑事局の資料による。)。

1―1―8―4図 銃刀法違反の検察庁終局処理人員の処理区分別構成比の推移

1―1―8―5図 通常第一審における銃刀法違反の懲役の科刑状況


加重所持(P.54)
 けん銃等(けん銃,小銃,機関銃又は砲のことをいいます。)を適合する実包等とともに携帯,運搬,保管した場合,加重所持として,単純な所持よりも重く処罰されます。