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 平成12年版 犯罪白書 第4編/第6章/第2節/1 

第2節 コンピュータ関連犯罪

1 コンピュータ関連犯罪の動向と検察庁及び裁判所における処理状況

 コンピュータ等の電子情報処理システムの普及に伴い,これに関連する不正行為に適切に対処するため,昭和62年の刑法の一部改正により,電磁的記録不正作出・供用罪,電子計算機損壊等業務妨害罪及び電子計算機使用詐欺罪が,それぞれ新設された。
 これらコンピュータ関連犯罪の最近10年間における検察庁新規受理人員の推移を見たものが,IV-14表である。電子計算機使用詐欺は,平成5年から30人を超え,11年には43人となっている。

IV-14表 コンピュータ関連犯罪の検察庁新規受理人員

 IV-15表は,平成11年のコンピュータ関連犯罪の検察庁終局処理人員を処理区分別に見たものである。電子計算機使用詐欺の終局処理人員は43人で,公判請求が34人(79.1%),不起訴9人(20.9%)となっており,家庭裁判所送致になった者はいない。

IV-15表 コンピュータ関連犯罪の検察庁終局処理人員

 IV-16表は,平成10年の通常第一審におけるコンピュータ関連犯罪の懲役の科刑状況を見たものである。電子計算機使用詐欺で懲役の言渡しを受けた者の刑期を見ると,1年未満が1人(5.3%),1年以上3年未満が9人(47.4%),3年が7人(36.8%),3年を超え5年以下が2人(10.5%)となっており,執行猶予率は52.6%となっている。

IV-16表 通常第一審におけるコンピュータ関連犯罪の懲役の科刑状況