V-41表は，被害額別の被害還付(被害に係る現金及び被害品自体が，刑事訴訟法の規定に基づき，又はその手続によらず被害者に返還されることをいう。)の状況を，被害還付により被害回復がなされることがない毀棄及び放火を除く財産犯について見たものである。

V-41表　財産犯の罪名別・被害額別被害還付状況

　被害還付のなされる割合が最も高いのは横領であり，全額被害還付がなされたものが，被害額1万円以下で約99%，被害額1万円を超え10万円以下で約73%を占めている。
　窃盗も，全般的には被害還付のなされる割合が高くなっており，被害額1万円以下の事案では，全額被害還付となっているものが70%を超えている。
　これに対して，詐欺及び恐喝では，全般的に被害還付率(被害額に対する被害還付された現金及び被害品の価額の比率をいう。)が低くなっており，被害額別に見ても，被害還付が全くない事案がおおむね70%を超えている。