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 平成11年版 犯罪白書 第4編/第3章/第3節/1 

第3節 外国人犯罪者の処遇

1 検察庁における処理状況

 IV-17図は,最近10年間における外国人被疑事件の終局処理人員(交通関係業過及び道交違反を除く。以下,本項において同じ。)の推移を見たものである(巻末資料IV-6参照)。平成6年以降,不起訴人員が横ばいであるのに対し,起訴人員は増加している。

IV-17図 外国人被疑事件の検察庁終局処理人員の推移

 IV-5表は,最近3年間における外国人被疑事件の罪名別終局処理人員を示したものである。

IV-5表 外国人被疑事件の罪名別検察庁終局処理人員

 平成10年における外国人被疑事件の終局処理人員は2万1,373人(前年より0.1%増)であり,そのうち来日外国人(本項では,我が国にいる外国人のうち,永住者・特別永住者,在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の者をいう。)被疑事件の終局処理人員は1万5,999人(同0.5%減)で,検察庁終局処理人員総数の4.4%,外国人被疑事件終局処理人員の74.9%を占めている。
 来日外国人被疑事件終局処理人員を罪名別に見ると,刑法犯では,窃盗(同罪の全終局処理人員に占める比率は1.7%)が最も多く,以下,傷害(暴行,凶器準備集合及び同結集を含む。同1.4%),文書偽造(同7.3%)の順となっており,特別法犯では,入管法違反(同90.9%)が最も多く,以下,覚せい剤取締法違反(同3.7%),外登法違反(同95.0%),売春防止法違反(同13.4%)の順となっている。
 IV-6表は,平成10年における来日外国人被疑事件の検察庁終局処理状況を,検察庁で処理された全事件の処理状況との対比で示したものである。

IV-6表 来日外国人被疑事件の検察庁終局処理状況及び起訴・起訴猶予率

 起訴率について来日外国人と全終局処理人員を比べると,刑法犯全体では前者が,特別法犯全体では後者が高くなっている。