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 平成11年版 犯罪白書 第1編/第1章/第2節/1 

1 凶悪犯

 最近10年間の殺人及び強盗の認知件数,検挙件数並びに検挙人員の推移を見ると,  I-4図のとおりである。
 殺人の認知件数,検挙件数及び検挙人員は,平成元年以降3年まではいずれも減少傾向にあったが,4年以降は8年を除いていずれも増加しており,10年は,前年と比べ,認知件数は106件(8.3%),検挙件数は131件(10.7%),検挙人員は81人(6.3%)の増加となっている。10年における殺人の発生率は,1.1である。
 強盗の認知件数,検挙件数及び検挙人員は,平成7年を除いて増加が続いており,最近3年間は急激な増加を示している。10年は,前年と比べ,認知件数は617件(22.0%),検挙件数は382件(17.1%),検挙人員は227人(7.2%),それぞれ増加している。10年における強盗の発生率は,2.7である。
 警察庁刑事局の資料によれば,平成10年におけるけん銃・小銃等の銃器発砲を伴う強盗事件の認知件数は11件(前年17件)であるが,このうち4件は,現金輸送車や金融機関を対象としたものである。
 I-1表は,最近10年間の現金輸送車を対象とした強盗事件の認知件数,検挙件数及び検挙率の推移を見たものである。平成10年は,前年と比べ,認知件数は14件(58.3%)減少しているが,検挙件数は6件(100.0%)増加している。
 I-2表は,最近10年間の金融機関強盗事件について,認知件数,検挙件数及び検挙率の推移を見たものである。平成10年について,対象別に見ると,認知件数は,特に郵便局を対象としたものが増加(前年比27件増)している。検挙件数はいずれも増加しているが,検挙率は,信用金庫等を対象としたものを除いて前年より低下している。

I-4図 凶悪犯の認知件数・検挙件数・検挙人員の推移(平成元年〜10年)

1-1表 現金輸送車強盗事件の認知件数・検挙件数・検挙率(平成元年〜10年)

I-2表 金融機関強盗事件の認知件数・検挙件数・検挙率(平成元年〜10年)