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 平成 9年版 犯罪白書 第1編/第4章/第6節 

第6節 風俗関係犯罪

 ここでは,風俗関係特別法犯である売春防止法違反,風営適正化法違反,児童福祉法違反及び公営競技取締法規違反(競馬法,自転車競技法及びモーターボート競走法の各違反をいう。)の推移を見る。
 風俗関係特別法犯の検察庁新規受理人員の推移は,I-51図のとおりである。(巻末資料I-7参照)
 売春防止法違反は,売春防止法が施行された翌年の昭和34年に1万8,629人と最高の受理人員を記録した。それ以降,おおむね減少傾向にあり,近年は1,000人台で推移している。この間50年代末から60年にかけて一時増加して60年には4,000人に達するが,当時,「デートクラブ」,「個室マッサージ」等のいわゆる性風俗にかかる営業が急増して,周旋等の事犯が多く検挙されたことがこの背景にある。

I-51図 風俗関係特別法犯の検察庁新規受理人員の推移

 風営適正化法違反については,昭和40年代前半及び50年代半ばにそれぞれ1万8,000人台及び1万3,000人台に達した二つのピークが認められるが,60年代以降は減少傾向を示し,近年は2,000人前後で推移している。
 なお,平成8年の風俗関係特別法犯について,違反態様別に送致人員の多いものから順に見ると,売春防止法違反では,周旋等(売春防止法違反による送致人員中の49.1%),勧誘等(同22.8%),売春をさせる契約(同15.0%),場所の提供(同9.6%)の順に,また,児童福祉法違反では,児童に淫行をさせる行為(児童福祉法違反による送致人員中の40.1%),児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもって児童を支配下に置く行為(同24.6%),刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に児童を引き渡す行為(同23.9%)の順になっている(警察庁の統計による。)。