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 平成 9年版 犯罪白書 第1編/第4章/第5節/2 

2 外国人による犯罪の動向

 外国人による交通関係業過を除く刑法犯検挙件数及び検挙人員の推移は,I-48図のとおりである。(巻末資料I-11参照)また,外国人による道交違反等交通関係を除く特別法犯送致件数及び送致人員の推移は,I-49図のとおりである。(巻末資料I-12参照)
 外国人による犯罪は,刑法犯・特別法犯のいずれにおいても,戦後,増減を示しながら長期的には減少傾向にあったが,平成3年以降増加傾向に転じている。そして,近年における外国人犯罪の増加については,来日外国人(ここでは,警察庁の統計における定義により,我が国にいる外国人のうち,いわゆる定着居住者(永住権を有する者等),在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の者をいう。)の犯罪の増加によるところが大きい。
 来日外国人の刑法犯検挙件数・検挙人員については,昭和55年には,検挙件数は867件,検挙人員は782人であったものが,同年以降いずれも増加し,特に検挙件数は平成5年に1万人を超えた後も激増を続け,8年は昭和55年の約23倍の1万9,513件にまで達している。一方,検挙人員は,平成5年に最高値の7,276人を記録した後,わずかながら減少に転じたものの,なおも6,000人台という高水準で推移している。

I-48図 外国人による刑法犯検挙件数・検挙人員の推移

I-49図 外国人による特別法犯送致件数・送致人員の推移

 さらに,I-50図は,交通関係業過を除く刑法犯検挙件数・検挙人員に占める外国人の比率について,昭和29年以降の推移を見たものである。刑法犯に占める外国人の比率は,検挙件数が35年の4.2%を,検挙人員が31年の5.0%を各最高値に,いずれも長期的には低下傾向にあったが,60年前後から上昇に転じ,検挙件数は増加傾向を続けており,検挙人員も平成3年の4.1%をピークに依然4%近い高水準で推移している。

I-50図 刑法犯検挙件数・検挙人員に占める外国人の比率の推移