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 平成 8年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節/3 

3 麻薬等事犯

 麻薬等事犯(麻薬取締法違反,あへん法違反及び大麻取締法違反をいう。以下,本節において同じ。)検挙人員の推移は,I-35図に示すとおりであるが,警察庁生活安全局の資料によると,平成7年における麻薬等事犯の検挙状況から見て特に注目される事犯の動向は,[1]乾燥大麻,大麻樹脂及びコカインの押収量が大幅に増加したこと,[2]来日外国人による大麻密輸入事犯が多発したこと,の2点である。
 平成7年における来日外国人による麻薬等事犯検挙人員は340人で,前年と比べ126人(27.0%)減少した。国籍別に見ると,イラン人が133人(39.1%)を占め最も多く,次いでヴィエトナム人が25人(7.4%),タイ人22人(6.5%),マレイシア人17人(5.0%)などとなっている(警察庁生活安全局の資料による。)。

I-35図 麻薬等事犯検挙人員の推移

 I-3表は,最近5年間における麻薬等の押収量を示したものである。麻薬等の押収量は,年次による増減が著しいが,平成7年では,LSD及びコカインの増加が目立っている。
 麻薬等事犯における暴力団勢力の関与状況を麻薬取締法違反に限って見ると,検挙人員に占める暴力団勢力の比率は,平成7年では13.7%で,覚せい剤取締法違反ほど高くはない(警察庁の統計による。)。
 平成7年における少年による麻薬等事犯について見ると,大麻取締法違反による検挙人員が189人で最も多いが,前年と比べると114人減少している(厚生省薬務局の資料による。)。

I-3表 麻薬等の押収量