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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第8章/第1節 

第8章 犯罪の国際化

第1節 概  況

 前章までは,主として,近年急増しつつある外国人による犯罪に焦点を置き,その動向とその犯罪者に対する処遇等について見てきた。我が国で犯罪を行う者の中には様々な国・地域から来日した外国人がおり,その数も増加しつつある一方,日本人による犯罪であっても,複数の国・地域にまたがり,その犯行の態様が悪質巧妙化している事件も少なからず見られる。
 他方,我が国の経済的発展に伴い,海外勤務・観光等の目的で出国する日本人の数は急増しつつある。その結果,日本人が外国で犯罪にかかわり,あるいは巻き込まれる機会も多くなってきている。
 そこで,本章においては,犯罪の国際化という観点から,国外で日本人が関係した犯罪の加害及び被害の状況を見るとともに,金・資本・物資の国際的移動に伴って発生する関税法違反,外為法違反等の密貿易事犯を取り上げ,その動向等を概観することとする。