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 平成 5年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/2 

2 再非行防止

 III-16図は,平成4年中に保護観察が終了した者のうち,保護観察期間中に,再度の犯罪・非行により刑事処分(起訴猶予を含む。)又は保護処分(戻し収容を除く。)を受けた者の,保護観察に付された日から処分を受けた日までの期間を示したものである。

III-16図 保護観察終了少年のうち,再犯少年の再犯期間別構成比 (平成4年)

 III-8表は,昭和56年から62年までの各年において,保護観察に付された少年のうち,保護観察を終了し,かつ,その保護観察期間中に再度の犯罪・非行を行ったことにより刑事処分又は保護処分(戻し収容を除く。)を受けた者の比率(以下「再犯率」という。)を示したものである。これによると,再犯率は,保護観察処分少年では平均20.6%,少年院仮退院者では同28.6%である。その再犯内容を見ると,新規受理人員の中に占める実刑ないし執行猶予になった者の比率は,保護観察処分少年では平均1.4%,少年院仮退院者では同1.8%であり,大半は,新たな保護処分にとどまっている。

III-8表 保護観察処分少年及び少年院仮退院者の保護観察期間中における再犯状況

 上記のとおり,保護観察処分少年については約2割,少年院仮退院者については約3割の再犯率にとどまっており,また,再犯者に対する処分内容も,再犯事犯が悪質・重大であったために懲役・禁錮の刑に処せられた者は,ごく少数であることにかんがみると,保護観察処遇及び少年院処遇に対し,それ相応の評価がなされるべきではあるが,再犯率を更に引き下げるために,処遇の充実を期する必要があることは当然であって,平成2年5月から実施されている保護観察における類型別処遇の充実,3年9月から実施されている少年院における特修短期処遇の充実等の諸政策の成果が期待される。