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 平成 3年版 犯罪白書 第1編/第2章/第5節 

第5節 公害犯罪

 I-42表は,検察庁における公害犯罪についての最近3年間の新規受理人員及び平成2年の終局処理人員を罪名別に示したものである。新規受理人員総数は,昭和56年まで6,000人台を維持していたが,その後は減少の傾向にあり,平成2年には,前年より201人(5.3%)減少して3,574人となった。これを罪義別に見ると,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)違反が最も多く,次いで,海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)違反,水質汚濁防止法違反となっており,この三者で全体の97.1%を占めている。
 平成2年の終局処理人員について見ると,総数3,674人中起訴人員は2,015人で,前年より168人減少しており,起訴率は55.8%である。起訴人員を罪名別に見ると,廃棄物処理法違反(起訴率は62.8%)が最も多く,以下,海洋汚染防止法違反(同41.2%),水質汚濁防止法違反(同74.7%)などとなっている。なお,これら三つの公害犯罪について,検察統計年報により,その法人・個人別終局処理人員の比率を見ると,廃棄物処理法違反では,法人の14.6%に対して個人が85.4%,海洋汚染防止法違反では,法人の20.1%に対して個人が79.9%,水質汚濁防止法違反が法人の36.8%に対して個人が63.2%となっている。

I-42表 公害犯罪の罪名別検察庁新規受理・終局処理人員(昭和63年〜平成2年)