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 平成 2年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/3 

3 科刑状況

(1) 死刑,懲役及び禁錮
 II-12表は,昭和63年中の第一審裁判所における死刑,懲役及び禁錮の科刑状況を,罪名別に見たものであり,II-13表は,40年以降59年までの5年間ごとと60年から63年までの各年の死刑言渡し人員を罪名別に見たものである。死刑言渡し人員は,40年代後半著しく減少したが,50年代に入り増加の傾向を見せ,62年は6人,63年は10人となっている。63年中の無期懲役言渡し人員は44人であり,有期の懲役・禁錮のうち,刑期1年未満の者が全体の33.6%を占め,刑期が3年を超える者は全体の4.3%にとどまる。刑期が10年を超える者は,総数で172人であり,罪名別に見ると殺人132人,強盗致死傷15人,覚せい剤取締法違反11人,放火10人などとなっている。
(2) 罰  金
 II-14表は,昭和63年中の第一審の裁判(略式命令を含む。)における罰金の科刑状況を罪名別に見たものである。5万円未満の罰金に処せられた者が,総数の57.8%を占め,そのうち96.7%が道交違反によるものである。10万円以上の罰金に処せられた者は,総数では10.1%であるが,業過では42.5%と高率になっている。

II-14表 罪名別罰金の第一審科刑状況(昭和63年)