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 平成 元年版 犯罪白書 第4編/第2章/第5節/3 

3 頂上作戦とその影響(昭和30年代末〜40年代前半)

 昭和39年から40年にかけて,暴力追放の広範な世論を背景に,暴力団幹部による不法事犯,資金源犯罪及び武器関係犯罪等の厳重取締りを中心とした暴力団に対する総合的集中取締りが展開された。いわゆる頂上作戦であり,その後も継続的に実施されるが,これには,暴力団関係者による各種興行を全国公共施設から追放するとの地方自治体等の動きも加わった。
 IV-14表で暴力団関係者の刑法犯及び特別法犯検挙人員の合計の推移を見ると,昭和39年は5万8,687人,40年は5万6,704人であるが,これは暴力団構成員総数の約3分の1に当たり,その後41年は4万3,303人に減少し,42年から44年までは,いずれも3万8,000人台に激減しているのであり,頂上作戦の徹底と,その結果としての暴力団関係者の活動の後退をうかがうことができる。これを,IV-15表により罪名別に見ると,43年は,30年代と比較し,凶悪犯及び粗暴犯の減少が目立っている。また,頂上作戦の効果は,暴力団の団体数及び構成員数の減少にも現れている。IV-17表によると,38年は5,216団体,18万4,091人であったものが,44年には,団体数は,1,716団体減少して3,500団体,構成員数は,4万5,002人減少して13万9,089人となっている。この間,40年から44年にかけて,錦政会,本多会及び住吉会等の有力暴力団,関東会等の連合体が続々解散している。

IV-17表 暴力団の団体数及び構成員数の推移