前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成 元年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/5 

5 集団非行

 III-8表は,法務省の特別調査により,最近5年間の少年非行における共犯関係及び非行集団加入の有無について見たもので,昭和63年については,それを罪名別に示してある。63年における共犯率は47.5%で,非行集団加入率は7.1%である。5年間の推移を見ると,共犯率及び非行集団加入率は減少傾向にあるものの,罪名別に見ると,恐喝,強姦,強盗,傷害など凶悪・粗暴な犯罪において高いことが注目される。

III-8表 非行少年の共犯・非行集団関係(昭和59年〜63年)

 暴走族は,昭和30年代初めの「カミナリ族」に端を発するといわれ,その後のモータリゼーションの急激な進展に伴い,次第にその数を増し,大きな社会問題となっている。III-9表は,最近5年間における暴走族のグループ数,構成員数及び構成員中に占める少年の比率を示したものである。63年11月30日現在で552グループ,3万6,934人となっており,構成員中に占める少年の比率は,同日現在で,78.1%となっている。63年においては,厳しい取締りにもかかわらずグループ数及び構成員数は,前年より増加しており,また,単に道路交通関係法規違反にとどまらず,暴行,恐喝,凶器準備集合罪などの粗暴な犯罪に走る傾向が目立っている。

III-9表 暴走族のグループ数,構成員数及び構成員中に占める少年の比率(昭和59年〜63年各11月30日現在)