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 昭和63年版 犯罪白書 第4編/第5章/第3節/2 

2 更生保護会に委託保護された者の概要

 更生保護調査においては,更生保護会に委託保護された多数回受刑歴を有する者785人について調査したが,昭和61年中に新たに保護観察所が更生保護会に委託保護した者の総数は,3,419人であるので,調査対象者は,その23.0%に当たる。
(1) 事件種別
 多数回受刑歴を有する者785人の事件種別を見ると,行刑施設の満期釈放者が438人(55.8%),仮出獄期間満了者が306人(39.0%)であり,この両者を合わせると全体の94.8%を占めており,そのほがは起訴猶予者が36人(4.6%),刑執行猶予の言渡しを受け判決が未確定の者5人(0.6%)となっている。
(2) 入所度数及び男女別
 多数回受刑歴を有する者の入所度数を見ると,6度の者が174人(22.2%),7度の者が109人(13.9%),8度の者が108人(13.8%),9度の者が87人(11.1%),10度以上の者が302人(38.5%)となっており,正確な入所度数不明の者が5人(0.6%)であった。
 男女別については,男子780人(99.4%),女子5人(0.6%)となっており,女子は極めて少数である。
(3) 年  齢
 多数回受刑歴を有する者の保護申出の受理時年齢を見ると,30歳未満の者が3人(0.4%),30歳代の者が72人(9.2%),40歳代の者が241人(30.7%),50歳代の者が356人(45.4%),60歳以上の者が113人(14.4%)となっており,50歳以上の者が59.7%を占めている。