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 昭和63年版 犯罪白書 第2編/第4章/第1節/3 

3 帰住予定先の環境調整

 矯正施設に収容されている者の社会復帰を円滑にするためには,帰住予定先の環境が本人の更生を阻害しないように,あらかじめ,調整しておくことが必要である。このため,保護観察所においては,本人が矯正施設に収容されているうちに,家族その他の引受人との協議等を行って,引受人の家庭,近隣,交友関係,被害弁償,釈放後の生計の見込みなどを調査し,問題点の調整を図っている。この環境調整は,本人が矯正施設に収容された後速やかに開始され,釈放時まで継続的に行われる。
 環境調整の経過及び結果を記載した報告書は,定期的に又は必要に応じて,地方委員会及び本人を収容する矯正施設に送付され,仮釈放審理や矯正処遇の資料とされる。昭和62年において,保護観察所は,受刑者3万5,626人,少年院在院者6,078人,婦人補導院在院者1人,計4万1,705人について環境調整事件を新規に受理し,同年12月末現在で4万6,517人の環境調整を実施している。