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 昭和61年版 犯罪白書 第3編/第2章/第5節/1 

第5節 少年刑務所における処遇

1 少年受刑者の状況

 懲役又は禁錮の言渡しを受けた少年に対しては,その特性にがんがみ,少年刑務所又は刑務所内の特に設けた場所でその刑を執行する。この場合,少年が20歳に達しても,引き続き同一場所において処遇することが適当であると認められるときは,26歳に達するまではそこでの執行を継続することができることとなっている。
 昭和60年中に新たに入所した少年受刑者(裁判時20歳未満の者をいい,入所時に20歳以上の者を含む。以下本節において同じ。)は129人(前年116人)で,うち,入所時20歳未満の者は106人(同101人)である。60年末現在収容中の少年受刑者は91人で,前年に比べ9人増加している。
 少年新受刑者の罪名別人員は,III-45表のとおりである。ここ3年間で見ると,業過,窃盗,覚せい剤取締法違反等の占める割合が高い。

III-45表 少年新受刑者の罪名別人員

 III-46表は,少年新受刑者の刑名・刑期別構成比を見たものである。昭和60年では,懲役が113人(うち2年以下が66.3%),禁錮が16人で,禁錮には2年を超える者はいない。なお,これら129人中,124人は不定期刑を言い渡されている。

III-46表 少年新受刑者の刑名・刑期別構成比

 少年新受刑者中,初人者の保護処分歴は,III-47表のとおりで,前年に比べ処分歴のない者が5.1ポイント増加している。