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 昭和61年版 犯罪白書 第1編/第2章/第5節/1 

第5節 過激派集団の犯罪

1 概  説

 昭和60年における過激派各派の活動の特色は,いわゆる成田闘争,国鉄の分割民営化反対闘争,北富士闘争そして関西国際空港反対闘争などを中心課題として,活発な活動を展開したことと,アジトの防衛,水溶紙や暗号の使用等組織及び活動の非公然化を更に強めたことにある。特に,成田闘争については,60年4月に新東京国際空港(成田空港)の建設を進める政府広報が出され,同年8月には同空港の65年度完成を盛り込んだ5か年計画が発表されたことから,過激派各派は2期工事着工が間近いとして切迫感を強め,成田用水工事を2期工事そのものとみなしてその工事阻止に焦点を合わせ,活発な闘争を繰り返した。また,国鉄分割民営化反対闘争についても,過激派各派はその絶対粉砕を主張して,従前より更に大規模で激しいゲリラ事犯を次々に敢行した。