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 昭和60年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/2 

2 観  護

 少年鑑別所における処遇の原則は,少年を明るく静かな環境に置き,少年が安んじて審判を受けられるようにし,そのありのままの姿をとらえて資質の鑑別に役立てることである。このため,少年鑑別所における観護処遇は,少年の身柄の確保,心情の安定を図るほか,生活管理上必要な処遇を行いながら,行動観察等を通じて鑑別に必要な情報の収集を行っている。特に近年観護措置による収容少年の精密な鑑別に役立てるため,処遇の一環として「探索処遇」を試行している。これは,観護と鑑別の有機的連携のもとに,個々の収容少年の特性等を考慮しつつ,作文,読書,はり絵,絵画,粘土細工,心理劇,集団討議等の処遇を実施して,少年の問題性,改善可能性の程度に応じた改善更生のための方法等を探り,鑑別に反映させようとするものである。
 なお,施設間の処遇上の差異をできるだけ少なくし,観護処遇の一層の適正化を図るため,その標準化作業を全国的に推進している。