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 昭和59年版 犯罪白書 第3編/第2章/第2節/5 

5 交通事件

 昭和57年における,業過の第一審有罪人員は前年より8,058人(2.6%)増加して32万4,026人,道交違反のそれは3万6,907人(2.2%)増加して175万2,281人となっている。業過によって懲役又は禁錮に処された者は前年より229人(2.5%)減少して8,925人,道交違反によるものは144人(1.8%)減少して7,817人となっている。
 III-16表は,業過に対する第一審判決の科刑状況を年次別に見たものである。業務上過失致死における懲役の割合は,昭和45年が13.6%,50年が20.7%,57年が23.1%と高くなりつつも,比較的低い率にとどまっているのに対し,業務上過失傷害では,45年の33.8%から50年には51.7%,57年では56.6%と上昇し過半を占めるに至っている。これを見ると,自由刑を科するに当たって懲役刑が選択されることが多くなっていると言える。しかし,他面,懲役と禁錮な合わせた業過全体の執行猶予率の年次推移を見ると,45年が64.1%,50年が73.1%,57年が81.5%となっており,上昇傾向を示している。

III-16表 業過に対する第一審判決の科刑状況(昭和45年,50年,55年〜57年)