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 昭和58年版 犯罪白書 第4編/第2章/第6節/1 

第6節 少年の更生保護

1 少年の仮釈放

 少年の仮釈放に関しては,少年院在院者の仮退院及び不定期刑受刑者の仮出獄について述べる。
 (1)少年院在院者の仮退院
 少年院からの出院には,満齢又は満期による退院のほか,地方更生保護委員会の許可決定による仮退院及び退院がある。仮退院は,少年院在院者が,矯正処遇の最高段階に達し,社会内での処遇である保護観察に付することが少年の更生のために相当であると認められたとき,又は矯正処遇の最高段階には達していないが,少年自身の努力により成績が向上し,保護観察に付することが少年の改善更生のために特に必要であると認められたときに許される。
 仮退院の許否状況は,前掲III-48表のとおりであるが,IV-50表は,最近3年間における少年院出院者の出院事由について,少年院の一般短期処遇,交通短期処遇及び長期処遇別に見たものである。昭和57年の出院者総数5,059人のうち,仮退院者が91.7%を占めている。長期処遇では,13.1%が退院者であるが,一般短期処遇及び交通短期処遇では,全員が仮退院で出院している。

IV-50表 少年院出院者の処遇区分・出院事由別人員(昭和55年〜57年)

IV-51表 不定期刑仮出獄の短期経過前・後の許可人員の比率(昭和55年〜57年)

 (2)不定期刑受刑者の仮出獄
 不定期刑受刑者の仮出獄審理の手続及び仮出獄許可の基準は,定期刑受刑者と同様であるが,仮出獄を許すことができる時期は,刑の短期の3分の1を経過した後とされている。
 不定期刑受刑者の仮出獄の許否状況は,前掲III-49表のとおりであるが,仮出獄を許された者について,刑の短期経過前の出所者と短期経過後の出所者の比率を見ると,IV-51表のとおりである。短期経過前に仮出獄した者の割合は,昭和55年が17.8%,56年が21.8%,57年が23.9%と上昇している。