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 昭和56年版 犯罪白書 第4編/第3章/第5節/3 

3 少年司法の運用

 このような少年司法制度が,どのように運用されているかを公的統計資料によって見ると,次のとおりである。
 少年(13歳未満の者を含む。)の有罪人員の処分を見ると,IV-88表のとおり,1979年において,総数約6万人のうち,教育処分が約4万人(67.4%),刑事処分が約2万人(32.6%)である(フランスでは13歳未満の刑事未成年者に対しても,「有罪」を認定した上で,教育処分を言い渡すことができる。少年法第15条)。

IV-88表 犯罪少年の処分種類別言渡人員フランス(1979年)

IV-89表 犯罪少年の教育処分種類別言渡人員フランス(1979年)

IV-90表 犯罪少年の刑事処分種類別言渡人員及び実刑の刑期内訳フランス(1979年)

 教育処分を受けた約4万人の少年について,種類別言渡人員を見ると,IV-89表のとおり,訓戒が66.8%で最も多く,親権者等への委託の29.9%がこれに次ぎ,少年院への収容は2.8%(1,150人)である。
 刑事処分を受けた約2万人の少年について,刑の種類別人員及び拘禁刑のうち実刑の言渡しを受けた者の刑期別構成比を見ると,IV-90表のとおり拘禁刑が1万3,946人(71.0%),罰金が5,684人(29.0%)であり,拘禁刑(実刑)の言渡しを受けた4,125人のうち,刑期4月以下の者が83.9%を占めている。