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 昭和56年版 犯罪白書 第4編/第3章/第5節/1 

第5節 フランス共和国

1 少年非行の動向

 フランスの刑法犯検挙人員及びそのうち18歳未満の少年検挙人員の最近8年間(1972年から1979年)の推移を図示すると,IV-24図のとおりである。(なお,同国の刑法犯認知件数の最近10年間の推移は,第1編第1章のI-7図のとおり。)また,IV-86表及びIV-87表は,刑法犯総数については1972年及び最近3年間(1977年から1979年)の,殺人,強盗,傷害,窃盗,強姦及び放火の主要6罪種については1974年及び前記3年間のそれぞれ少年検挙人員,少年比,及び少年,成人の各人口比を示したものである(フランスには検挙人員の年齢層別の統計がないため,青年の検挙人員は不詳であり,また,検挙人員には18歳未満の刑事未成年者は含まれていない。)。
 少年の検挙人員は,刑法犯総数において,1972年から1979年の最近8年間に約6万9,000人から約9万4,000人へ約1.4倍に増加し,少年比は9.4から15.4へ上昇している。少年の人口比は,1977年において19.1であり,成人の人口比(13.0)を超えている。
 主要6罪種について,1977年の数値を見ると,殺人については,少年比は5.6で,少年の人口比(2.6)は成人(4.8)の約半分であり,強盗については,少年比は21.4で,少年の人口比(51.8)は成人(21.2)の約2倍であり,傷害については,少年比は8.3で,少年の人口比(58.5)は成人(72.4)より低く,窃盗については,少年比は28.4で,少年の人口比(1,385.9)は成人(390.3)の約4倍であり,強姦については,少年比は16.9で,少年の人口比(6.4)は成人(3.5)の約2倍であり,放火については,少年比は28.9で,少年の人口比(9.0)は成人(2.5)の約4倍である。

IV-24図 刑法犯検挙人員の推移フランス(1972年〜79年)

IV-86表 刑法犯検挙人員の少年比及び人口比フランス(1972年,77年〜79年)

IV-87表 主要罪種別検挙人員の少年比及び人口比フランス(1974年,77年〜79年)